
近年、マンション・ビルの外壁が崩落する事故が相次ぎ、その結果、法改正が行われました。この改正により、平成20年4月より外壁の調査・定期報告を怠ったり虚偽の報告を行ったりした場合、責任者には100万円以下の罰金が科せられることになりました。これを機に、調査をご検討中のマンション管理組合様やビルオーナー様が多いようです。
マンション・ビルの外壁調査には、主に「全面打診調査法」と「赤外線調査法」があります。まずはそれぞれの調査法について知っておきましょう。
全面打診調査法
「打診棒」と呼ばれる外壁検査器具で壁面をたたく調査です。反発音によって内部の異常箇所を発見します。手間はかかりますが、赤外線よりはるかに信頼性のある結果が得られます。

メリット | デメリット |
■ 打診調査と同時に目視診断ができる ■ 打診調査と同時に触診ができる ■ 剥離した部分は確実に判別でき、信頼性が高い ■ 調査時に危険な部位があればすぐに対処できる | ■ 高所は足場の仮設が必要 ■ 足場やゴンドラなどの費用がかかる ■ 赤外線より時間がかかる |
赤外線調査法
赤外線カメラによる非破壊検査です。サーモグラフィーで温度分布を測定することで、建物の異常箇所を発見します。非破壊でできる調査ではありますが、信頼性は高くありません。

メリット | デメリット |
■ 非破壊で劣化箇所を特定できる ■ 遠隔調査で広範囲測定が可能 ■ 足場費用や作業計画が不要 ■ 迅速性・作業性が高い | ■ 調査結果の信頼性が低い ■ 断熱材や空気層がある建物では正確な結果が得られない ■ 外壁面が乾燥していないと調査できない ■ 風速5m以上だと温度差が出づらく調査できない ■ 調査時の条件(※)の加味が必要なため、撮影者でなければ画像が解析できない ※天候、気温、太陽位置、風速など |
弊社は全面打診調査法と赤外線調査法の両方に対応していますが、建物の安全を確保するためにも、信頼性の高い全面打診調査法をおすすめしています。